1: 名無しのニュー速クオリティさん 2020/11/16(月) 13:36:30 https://bunshun.jp/articles/-/41437
引きこもりが9年目に入るころから、俊英さんはだんだんと荒れるようになった。興奮すると、手がつけられなくなる。ものを投げたり、食べ物を投げたりする。ガラスを殴って手に大ケガをしたこともある。2階から外にものを投げることもあった。
次第に俊英さんは、近所の音に敏感になった。三上さんの家のそばには駐車場がある。そこに車が出入りするときに、敷いてある鉄板の音が大きく響くのが、気に入らないという。車が出入りするたび、窓を開けて「うるさいー!」と大声で怒鳴った。
大声だけでなく変な声を出すようになった。笑い声のような奇妙な声を、夜中に外に向けて発する。ラジオの音を、大きくして鳴らすこともあった。近所の人にも、「あの家に変な人が住んでいる」とだんだん知られてきた。
「あのころは、本当に地獄でした」両親は日に日に憔悴していった。息子と一緒にご飯を食べても、味がしない。どんなものも、「おいしい」と思うことがなくなった。
ついに、世津子さんは「若者教育支援センター」に電話をかけた。「うちの子を、そちらで預かってください」
まずは精神科医と面接をし、次に代表の広岡さんのカウンセリングを受けた。できるだけ早く俊英さんを家から出し、寮で生活させようと、方針が決まった。
広岡さんが2人のスタッフを連れてきた。世津子さんが俊英さんに説明をすると、俊英さんの表情が変わった。舌打ちして、激しく怒り出した。
「お母さん、部屋から出てください」と言われ、世津子さんは別の部屋に移った。ドアの向こうから、広岡さんたちが穏やかに説得している声が聞こえてきたが、俊英さんはなかなかうんと言わないようだ。
1時間くらい経ったころ、スタッフから世津子さんの携帯に電話があった。「俊英さんが車に乗りました。これから出発します」あっけない別れだった。
「『やっと出た』と思いました。寂しくはなかったです。本人が苦しんでいるのはわかっていて、どうにかしてやりたいと思っていましたから」(世津子さん)。
引用元: https://girlschannel.net/topics/3076706/続きを読む