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1 :風吹けば名無し:2022/01/06(木) 06:04:47.39 ID:A0miunNrf.net

石灰化を呈し抜去が困難であった腟内異物の一症例

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〈概要〉 腟内異物が放置される例は、産婦人科ではまれに経験される。症例は50歳。スプレー缶の蓋を腟内に自己挿入し、抜去できずに約2年間放置していた。抜去目的に当院を紹介され、 腰椎麻酔下に子宮把持鉗子で抜去した。抜去された異物は、石灰化物質で覆われており、成分分析では、リン酸カルシウムとリン酸マグネシ ウムが検出された。報告では腟内のカルシウムイオン、マグネシウムイオンは尿の成分に由来すると結論づけられるものが多い。腟内異物の 症例では膀胱腟瘻を来していることも多い。 本症例では画像検査で膀胱腟瘻などの解剖学的異常はなく、抜去可能であった。長期間放置された腟内異物の診療では、膀胱腟瘻などの解剖学的異常も含め、画像検査で評価することが有用である。

【緒言】
自慰行為などで腟内に異物挿入し、抜去困難のため緊急受診する例は、産婦人科ではまれに経験される。しかし、挿入された腟内異物が長期間放置される例は、日常生活動作 (ADL) の自立している成人では少ない。今回我々は、約2 年間放置された腟内異物の周囲に石灰化を呈し、 抜去に難渋した症例を経験したので報告する。

【症例】
<患者> 50歳、0妊0産
最終月経は当科受診の3か月前
<主訴> 特になし
<既往歴> 躁鬱病で内服加療中
<ADL> 自立
<現病歴> スプレー缶の蓋を腟内に自己挿入し、 抜去できずに約2年間放置していた。抜去を希望し、近医産婦人科を受診したが、経腟的に抜去困難であったため当院紹介初診となった。 <入院時所見>
身長 153cm、体重 78kg
バイタルサイン: 体温37.1°C、血圧124/76mmHg、脈拍62回/分
内診所見: 腟内に約5cm大の異物あり。外見は灰白色で固く、石灰化物質のようであった。 異物のために子宮口は触知できず。異物は鑷子等で牽引しても抜去できなかった。
検査所見: WBC8200 μ/1、CRP1.12mg/dl。他の一般血液生化学所見には特記すべき異常な し。
尿検査:白血球3+、潜血3+
腹部MRI検査(図 1)は、T2 強調画像の矢状断と水平断では腟内を占拠する異物構造を認めた。深部腟壁には不整形の高信号部分があり、液体貯留があると考えられた。また、周囲の膀胱壁や直腸壁には明らかな欠損を認めなかった。

<経過> 外来での抜去困難のため、入院とした。腰椎麻酔(L2/3、0.5%高比重 bupivacaine 2.6 ml) 下、砕石位で処置を開始した。異物を視認し (図 2a: 写真左)、ペンチや単鉤針子などを使用して牽引したが抜去できず、開腹の可能性も考慮した。左側に会陰切開を施行、子宮鉗子を異物の左右から一葉ずつ挿入、把持牽引し、 慎重に銷子分娩の要領で抜去した(図 2b: 写真 右)。

http://hdl.handle.net/10271/00003767



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